論文「2016年度における人工内耳装用児の通常学校進路状況とそれに影響する因子について」
昨年のAudiology Japanに掲載された人工内耳関連の論文について紹介します。
1988年長崎で人工内耳小児の手術がスタートし、2016年9月まで,当施設に術後(リ)ハビリテー ションのため通院されている人工内耳小児の在籍学校,療育機関を調べました。
就学児以上の小児は202名で,通常学校進学者は144名であり,インテグレーション率は71.3%でした。
インテグレーション率は近年ほど高く,最近約6年間のインテグレーション率は80〜90%でした。
これは海外の人工内耳先進国における通常学校進学率のデータに近い結果です。
通常学校に進学し在学し続ける要因についてもデータ解析を行いました。
また、これまで人工内耳装用小児のために、通常学校や、ろう学校、特別支援学校に150校以上訪問して来ましたが,その経験から人工内耳装用児における学校教育上、重要な点について考察を加えています。
神田幸彦:「人工内耳装用児の通常学校進路状況とそれに影響する因子について」, Audiology Japan, 61(4), 277~286, 2018
2019年 5月 19日, カテゴリー 論文紹介